最高裁判所第二小法廷 昭和27年(ヤ)2号 決定
以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。
(要旨)
請求書に所定の印紙をはらない理由でなされた人身保護請求却下決定に対する特別抗告事件につき、最高裁判所がなした抗告却下決定に対しては、再審の申立は許されない。
(説明)
(一) まず一般論として 最高裁判所の決定命令にも民訴四二九条(いわゆる準再審の規定)の適用があるかにつき、本決定は正面から判断を示してはいないが、適用ありとの前提に立つものと解して妨ないであろう。なぜなら、それは本判示に論理的に先行する事項であるからである。ところでこのことは、旧民訴四六六条三項(いわゆる再審抗告の規定)が実質的には単に抗告期間を伸長したものに過ぎず、したがつて本来抗告に服することなき大審院の決定については適用の余地がなかつたのと対比されるものである。
(二) 次に、最高裁判所の前記抗告却下決定に対し再審の申立が許されないことの理由として、本決定は、右却下決定が民訴四二九条にいわゆる「即時抗告ヲ以テ不服ヲ申立ツルコトヲ得ル決定又ハ命令」には当らないから、と説明するに止まり、なぜに当らないかの理由は何ら示すところがないけれども、思うに、請求書に印紙をはらない理由で人身保護法七条並びに同規則八条び九条一項の規定にもとずき裁判所がなした人身保護請求却下決定は、通常訴訟の場合に印紙をはらない理由で裁判長がなした訴状却下命令(民訴二二八條)におけるとは異り、即時抗告を許されぬものと解すべきであるから、これに対する特別抗告を却下して右請求却下決定を維持した最高裁判所の抗告却下決定は、その性質がすなわち民訴四二九条にいわゆる即時抗告を以て不服を申立つることを得る決定又は命令には当らぬものと解すべきことに、その理由を求むべきであろう。
(以上靑山調査官)